「サバタ登場(68)」

ARRIVA SABATA (伊)「サバタ登場」、SABATA THE KILLER(英)「殺し屋サバタ」劇場未公開

カテゴリー( Anthony Steffen)

監督トリオ・デミチェリ、脚本ニノ・ストレサ、トリオ・デミチェリ、撮影アルド・リッチ、音楽マルチェロ・ジョンビーニ、出演アンソニー・ステファン、ピーター・リー・ローレンス、エドワルド・ファハルド、アルフレッド・メイヨ

前半は、コミカルな音楽にのってコメディタッチで進んでいるが、後半は裏切りが交錯するシリアスな内容になる。物語の展開も、登場人物のキャラクターも途中で変 容していく奇妙な作品だ。騒々しい自動車に乗って登場するサバタ(アンソニー・ステファン)と相棒のマンゴスタ(エドワルド・ファハルド)は、かっぱらった自動車を利用して銀行強盗をはたらく。ところが翌日の新聞には彼らが強奪した額とは桁が違う大金が盗まれたという記事が載せられていた。小賢しい若い銀行員ピーター(ピーター・リー・ローレンス)が銀行強盗の騒ぎに乗じて金を着服していたのだ。そのことをネタにピーターを強請にかかった悪党二人組だったが、ピーターは彼らに勝る悪党、結局二人の仲間に加わって三人組で悪事を重ねることになる。

しかし、このことをかぎつけたのが銀行家のガーフィールド(アルフレッド・メイヨ)。立ち寄った町で馬の焼印から素性がバレた三人組は逮捕され絞首刑にされそうになるが、それを救ったのはなんとガーフィールドの一味だった。三人が稼いだ大金の在処を聞き出そうと三人をリンチにかけるガーフィールドの一味。ついに金の在処を白状して隠し場所である炭鉱に一味を案内するが、落盤を誘発して脱出する。ところがここでマンゴスタが裏切り、金を持ち逃げしてしまう。今度はマンゴスタを負うサバタとピーター、さらには、武器商人から多量の武器を仕入れて手下を増強したガーフィールド一味も彼らの後を追い二重の追跡となっていく。

ラストは、三人組とガーフィールド一味入り乱れての銃撃戦。ステファンとローレンスの主演作品だけにガンプレイは豊富。中盤ガーフィールド一味から脱出するシーンやラストの金を巡る争奪戦ではステファンとローレン スが小気味よいトリックプレーや、痛快なガンプレイを次々と披露する。ストーリーもまとまっており、アクションが快調なのは良いが、例によって味方であるはずのマンゴスタやピーターが次々と裏切って仲間同士が殺し合う。遂には、マンゴスタが死ぬ間際に金を炎の中に放り込みすべてがふいになるという不自然などんでん返しが続いて、最初の陽気な雰囲気から一転、暗く陰鬱な結末を迎えるに至っては、かえって観る方はしらけてしまうのだ。