「皆殺しのガンファイター(70) 」

L’UOMO CHIAMATO APOCALISSE JOE (伊) 「黙示録のジョーと呼ばれた男」、APOCALYPSE JOE(英) 「黙示録のジョー」劇場未公開、TV/DVD公開題名「皆殺しのガンファイター」

カテゴリー( Anthony Steffen)

監督レオポルド・サボーナ、脚本エドワルド・ブロセーロ、レオポルド・サボーナ、撮影フランコ・ビラ、フリオ・オルタス、音楽ブルーノ・ニコライ、出演アンソニー・ステファン、エドワルド・ファハルド、ステリオ・カンデーリ、フェルナンド・ビルバオ、ベロニカ・ロロセック、メアリー・バズボンダル

叔父の残した金鉱を相続することになった役者志望の男ジョー・クリフォード(アンソニー・ステファン)が、相続した金鉱のある町にやって来ると、金鉱は、バーク(エドワルド・ファハルド)という男の率いる集団によって支配されていた。バークに言わせると、ポーカーによる借金のかたとして鉱山を手に入れ、ジョーの叔父はそのことが原因で自殺したのだという。もちろんバークの主張はでたらめで、彼の手によって叔父は殺害されていたのである。

本物の相続人であるジョーが目障りでたまらぬバークは、手下を使ってジョーを亡きものにしようとするが、役者としての才能以上にガンさばきが得意なジョーはバークの手下たちをことごとく倒していく。業を煮やしたバークは、全ての手下を率いてジョーの居座る町を襲撃してきた。ストーリー展開などは、もうどうでも良い。全編、撃ち合いに次ぐ撃ち合いの連続。おそらく、その過程で披露されるガンプレイの数は撃ち合いが売り物である全てのマカロニの中でもベストといってよいだろう。

特にラスト40分に展開される銃撃戦はステファンマカロニの真骨頂。神父のフードを脱いで正体を見せると同時の抜き撃ち、シェークスピアの劇で用いるドクロの眼窩から銃身を突き出しての早撃ち、鏡で相手の目をくらましての前方回転撃ち、天井から逆さにぶらさがってのコウモリ撃ち、二挺拳銃の左で正面の敵を狙いながら突然跳びだした右手で側面の敵を撃つ、など書き切れないほどの目新しいガンプレイが続々と披露される。札をひもで括っておいて敵をおびき寄せたり、女装して預けた乳母車にダイナマイトを仕掛けていたり、マンガのようなふざけたシーンもご愛嬌として楽しめる。

第一級のマカロニウエスタンは、家族の絆や師弟の確執、革命にかける信念などなかなか深いテーマを抉った作品も多いのだが、やはりマカロニの本質的な魅力は撃ち合いにこそある。その点から考えると本作品はマカロニベストテンにも欠かせない傑作の一つであるということができる。軽快な音楽も画面の雰囲気にぴったりの典型的なニコライ節だ。