「十字架の長い列(69)」

UNA LUNGA FILA DI CROCI(伊)「十字架の長い列」、NO ROOM TO DIE(英)「死に場所はない」劇場未公開、DVD公開題名「十字架の長い列」

カテゴリー( Anthony Steffen)

監督ウイリー・S・リーガン(セルジオ・ガローネ)、脚本セルジオ・ガローネ、撮影フランコ・ビラ、アリステッド・マサセッチ、音楽バスコ&マンキューソ、出演アンソニー・ステファン、ウイリアム・バーガー、マリオ・ブレガ、リカルド・ガローネ、ニコレッタ・マキアベリ、ヒロシ・ナカエマ

アンソニー・ステファンは最も多くマカロニウエスタンに主演した俳優だが、その 多くがマカロニウエスタンの魅力に溢れた傑作ぞろいだ。しかも、日本に公開されていない作品の中にもガンプレイやテーマソングの魅力に満ちた作品がひしめいている。この作品はそれらの中にあっても特に出来の良い1本。ステファンはもとより、殺し屋神父を演じるウイリアム・バーガーのカッコ良さは秀逸。バスコ&マンキューソの音楽、アリステッド・マサセッチのカメラワークと水準を大きく超えた出来栄えだ。

賞金稼ぎブランドン(アンソニー・ステファン)は、人身売買をはたらく賞金首のサンタナを仕留めた際に裏でメキシコからの密入国を請け負う組織が存在することをつかむ。組織の頭目はファーゴ(リカルド・ガローネ)という町のボスで、密入国がバレそうになると、証拠隠滅のため密入国させようとしていた貧しいメキシコ人達を皆殺しにしてしまう冷酷非情な男だ。サンタナから身ぐるみ剥がれていた大男セプテンブレ(マリオ・ブレガ)を相棒にしたブランドンは、ファーゴが支配する町に乗り込む。たまたま、メキシコ人皆殺しの現場から逃げ出した農夫を助けたことから、農夫の雇い主である美しいマヤ(ニコレッタ・マキアベリ)の家でひとまず世話になることとなるブランドンとセプテンブレ。

一方、神父のいで立ちをしながらも6連装のライフルを自在に操るもう一人の賞金稼ぎマードック(ウイリアム・バーガー)も、ファーゴを狙っていた。刺客を差し向けながらもことごとく返り討ちにあってしまうファーゴは、ブランドンとマードックに2万ドルずつ支払うことで、ファーゴをつけ狙うことを諦めるように取引をもちかける。しかし、この取引は罠だった。町から引き揚げようとする二人を手下に襲わせ、その間にマヤとセプテンブレを一味は誘拐してしまう。

人質救出に敵地に乗り込んだブランドンだったが、実はマードックは裏でファーゴと通じており、ブランドンは一人敵地に置き去りにされてしまう。ストーリー的には破綻している部分も多いが、全編が跳ぶ、転がる、走るという全身を使った激しいアクションと格好良いガンプレイの連続。ラストには、ブランドンとマードック&ファーゴの2対1の対決。さらには、ブランドンとマードックの一騎打ちと対決のつるべ打ち。吐く息も白く凍るような寒々とした荒野に展開する非情の対決と共に格好良い2人のファッションも見所のひとつだ。