「キラーキッド(67)」

KILLER KIDD(伊)「殺し屋キッド、KILLER KIDD(英)「殺し屋キッド」、劇場未公開、TV/DVD公開題名「キラーキッド」

カテゴリー( Anthony Steffen)

監督レオポルド・サボーナ、脚本レオポルド・サボーナ、セルジオ・ガローネ、撮影サンドロ・マンコーリ、音楽ベルト・ピサーノ、出演アンソニー・ステファン、フェルナンド・サンチョ、リザ・バレット、ケン・ウッド、ヨルゴ・ボヤジス、トム・フェレギー、ネルソン・ルビアン

ステファンが主演したメキシコ革命もの。刑務所に収監されていたガンマンのキラーキッドことトム・モリソン(アンソニー・ステファン)は、刑務所を脱走する。逃走する途中で、ラミレス大尉(ケン・ウッド)率いるメキシコ軍に捕らえられていた革命軍の戦士パブロ(ヨルゴ・ボヤジス)を助け、彼と一緒にメキシコ革命軍の本拠 地である村に身を隠す。

革命家のエル・サント(ネルソン・ルビアン)に統括された村では密かに武器を集め革命の準備を整えていた。サントの娘メルセデス(リザ・バレット)は、モリソンに好意をもったが、サントの部下で好戦的なビラール(フェルナンド・サンチョ)はモリソンをスパイだと決めつけて信用しようとしない。ところが、モリソンの正体は、ビラールが疑った通り、武器密輸を取り締まるために派遣された米国政府のエージェント、モリソン大尉であった。しかし、村に乗り込んできた、ラミレスたちメキシコ軍が、農民を恐怖で制圧する様を目の当たりにしたモリソンは、革命軍の考えに共感し、ついには革命軍を助けて戦うことになる。

物語は単純明快で、ステファンが撃って撃って撃ちまくる。坂を転げ落ちながらのライフルの連射や、縛られたまま落ちている銃を拾って敵を倒すなど、ステファン得意の倒れ、転がるガンプレイが連続する。ラストはラミレス率いる政府軍と革命軍による集団対集団の大銃撃戦。撮影はほとんどセットを必要としない屋外で行われ、明らかに低予算の作品であることが推測されるが、革命戦士がダイナマイトを抱いて敵陣に踊り込んだり、敵に撃たれながらもマシンガンを撃ち続けたりと、マカロニの壮絶さと悲壮感を表現しようというバイタリティが感じられる。低予算でセットが活用できなくても、俳優が体を張って演技をし、監督がテンポのよい演出をすれば、それなりに面白い作品が出来上がる良い見本だといえよう。

結局、モリソンを慕っていたメ ルセデスも、ライバルだったビラールも激戦の中で命を落とすという壮絶な結末を迎える。フェルナンド・サンチョが善玉を演じていると、珍しいと評されることが多いが、思いの他サンチョは、善玉役も多く演じている。本作でも、途中まではモリソンの正体を疑いながらも最後には彼と協力して戦い、壮絶な最期を遂げるビラールは、なかなかおいしい役どころだ。