「追跡者ガリンゴ(69)」

GARRINGO(伊)「ガリンゴ」、DEAD ARE COUNTLESS(英)「数えきれない死」劇場未公開、TV公開題名「追跡者ガリンゴ」

カテゴリー(Anthony Steffen)

監督ラファエル・ロメロ・マルチェント、脚本ビットリオ・サレルノ、ホーキン・ロメロ・マルチェント、撮影アルド・リッチ、音楽マルチェロ・ジョンビーニ、出演アンソニー・ステファン、ピーター・リー・ローレンス、ホセ・ボダロ、ラフ・バルダサーレ、フランク・ブラナ、モリノ・ロホ、ソルフィー・スチューピング

アンソニー・ステファンとピーター・リー・ローレンスが共演したマカロニらしい作品。幼い日に北軍の兵士から脱走兵である父を殺された若者ジョニー(ピーター・リー・ローレンス)は、成長して無差別に北軍兵士を殺し、その階級章を剥ぎ取ると父の墓に献じる情け無用の殺し屋に成長する。北軍の手から逃れて涙を流しながら走る幼いころのジョニーの姿に重なってジョンビーニのテーマ曲が流れるシーンはマカロニのムード満点。やがて保安官クラウス(ホセ・ポダロ)に救われた彼は、拳銃の練習を始め少しずつその腕を上げていく。少年であった彼がくるりと振り向いて連射しようとする姿が瞬時に北軍兵士を二挺拳銃で倒すローレンスの姿に重なるシーンは、カメラワークの効果もあって大いに期待を抱かせる。

しかし、合格点を与えられるのはこのあたりまで、殺人犯として追われる身になったジョニーを追跡するため、北軍将校ガリンゴ(アンソニー・ステファン)が登場してから逆にエネルギーがトーンダウンしてしまう。ガリンゴがジョニーを捜すまでに、ジョニーの手下たち(バルタ・バーリ、フランク・ブラナ)らとの争いでやたらともたついて活躍の場面が少ない。一方ジョニーは、久しぶりにクラウスとその娘ジュリー(ソルフィー・スチューピング)の待つ故郷に戻り彼らと平和な時間を過ごしていた。そこへ、ジョニーの手下たちとの戦いで傷を負ったガリンゴが現れる。マカロニならではのご都合主義には目をつぶるとして、ガリンゴが自分を追っていると知ったジョニーは、その場を逃走、ガリンゴはクラウスたちにジョニーがお尋ね者となっていることを伝えるのだった。

保安官のクラウスはジョニーの罪を正すとともに、ガリンゴから救う意味もこめてジョニーを逮捕する。しかし、ジョニーは新たな悪党仲間ダモン(ラフ・バルダサーレ)らの協力で脱出し、今度は、軍の金塊を強奪する。もはやジョニーは父親の復讐ではなく自らの私利私欲で悪事を働くようになっていたのだ。金塊を廃坑に隠したジョニーの前に再び現れたガリンゴ。ジョニーとガリンゴの1対1の対決はガリンゴの勝利で終わるが、クラウスの心情を気遣って、ジョニーの腕を撃つだけに留めた ことが裏目に出た。両手が使えないまま町に逃げ込んだジョニーは、ダモンたちになぶり殺しにされてしまうのだ。ガリンゴはダモンたちを倒してエンドとなる。

何より、暴走する若者を演じていたローレンスがとたんに腰抜けとなり悪党ダモンに命乞いする場面を入れたのには興ざめ。結局サッソウとしたヒーローは誰もいないという情けない終わり方になってしまった。開幕のテンポが良かっただけにその後の展開のまずさが何とも惜しまれる。そうしたマイナス面も含めて、ある意味、典型的なステファン作品ということができる。