マカロニウェスタン大全 「アリゾナ無宿・レッドリバーの決闘」1970

2021-04-22

ARIZONA COLT SI SCATENA…E LI FECE FUORI TUTTI!(伊)「怒れアリゾナ、そして、皆殺しにしろ」、 ARIZONA(英)「アリゾナ」

カテゴリー(Anthony Steffen)

監督セルジオ・マルティーノ、脚本マッシモ・タランティーニ、アーネスト・ガスタルディ、撮影ミグエル・F・ミラ、音楽ブルーノ・ニコライ、出演アンソニー・ステファン、アンドレ・サムブレル、ロザルバ・ネリ、ロベルト・カマルディエル、ラフ・バルドサール、ルイス・バーブー

「南から来た用心棒(66)」の後日談ということで、ジュリアーノ・ジェンマとは似ても似つかぬステファン演じるアリゾナ・コルトの登場だ。ロベルト・カマルディエル演じる相棒のダブルウイスキー老人もちゃんと後にしたがっている。

アリゾナの元に資産家のモレノ(ホセ・マヌエル・マルティン)から、用心棒の依頼が届く。モレノに恨みを抱く凶悪な山賊一味のボス、チコ(アルド・サムブレル)が出所したからだ。ブラックストーンの町に向かったアリゾナとウイスキーだったが、アリゾナには放火殺人犯としてお尋ね者にされていた。チコが一足先にアリゾナを陥れる手を打っていたのだ。アリゾナは酒場でチコ一味と遭遇し、乱闘になるが、そこに現れた保安官によってアリゾナは逮捕され絞首刑が言い渡される。アリゾナが捕らわれている間にチコはモレノの農場を襲い、モレノの金と娘シーナを奪って逃走してしまった。ダブルウイスキーのトリックで絞首刑から脱出したアリゾナは、モレノの金を取り戻し、シーナを救出するためにチコを追跡する。

しかし、途中でウイスキーが捕らえられ重症を負ってしまう。アリゾナは川に札を流すという作戦で、手下たちが気を取られている隙に敵のアジトに潜入し金とシーナを奪い返すが、なんと彼女は既にチコの女となっていた。シーナの裏切りでチコに捕らえられたアリゾナは拷問にかけられるが、金の在処を白状しない。業を煮やしたチコは町でアリゾナが心を寄せていたシエラ(マルセラ・ミケランジェリ)を連れてくる、アリゾナの目の前で刺されたシエラだったが、彼女は最後の力を振り絞って縛られていたアリゾナの縄を断ち切る。

怒りに燃えたアリゾナの反撃が開始された。全体の流れは「二匹の流れ星」と非常に似ている。ステファンの作品は日本で公開された60年代初期の作品よりも、つば広の帽子を目深にかぶった独特のスタイルにチェンジする後期の未公開作品群にガンプレイが豊富で面白いものが揃っているようで、この作品の魅力も、岩山におびき寄せたチコの一味をアリゾナがさまざまな方法で倒していくシーン。屋根から飛び降りざまの連射や死体にまぎれてのトリック撃ちなど「皆殺しのガンファイター(70)」に負けないガンプレイの連続が楽しめる。

山賊一味のボスであるチコを演じるのは「さすらいのガンマン(66)」のアンドレ・サムブレル。本作品でもダブルウイスキー老人をいじめたり、アリゾナの彼女を射殺したりと悪逆非道な役柄だが、今回はロザルバ・ネリ扮する愛人がいるという設定。彼女はけなげにもアリゾナの弾丸が切れていることを知らせようと窓際に姿を見せた瞬間誤ってチコに射殺されてしまう。悪役、ヒーローともに愛する女性が殺されてしまうところがマカロニに登場するヒロイン達の悲しい運命だ。