マカロニウェスタン大全 「夕陽の決闘 」 1965

2021-04-22

SPARATE A VISTA A KILLER KID(伊)「殺し屋小僧を狙って撃て」、DUEL AT SUNDOWN(英)「夕陽の決闘」劇場未公開

カテゴリー(Terence  Hill)

監督レオポルド・ラホーラ、脚本レオポルド・ラホーラ、アーニャ・コルビン、撮影ジェネス・カリネクス、音楽ジヴィ・ボロド、出演ピーター・バン・アイク、マリオ・ジロッティ(テレンス・ヒル)、ウォルター・バーンズ、ジャコモ・ロッシ・スチュワート、カート・ハインテル、ヤン・ヘンドリックス

西ドイツ製西部劇の色合いが濃い初期の作品。マカロニウエスタンらしいシーンはほとんど見られず、撃ち合いのシーンも少ない。テレンス・ヒル主演のように勘違いされることが多いが、主演は西ドイツの名バイブレイヤー「恐怖の報酬」で注目されたピーター・ファン・アイクである。物語の全体像は「砂塵に血を吐け(67)」に代表されるカインとアベルものの一つといってよい。

牧場主マクドウ(ウオルター・バーンズ)には年の離れたダン(ピーター・ファン・アイク)とラリー(テレンス・ヒル)という二人の息子がいた。しっかり者のダンと比べられるやんちゃなラリーは、父に認められたいという願いをもっていたが、子供だと馬鹿にされてばかり。そんなある日、牧童のクエンツ(ジャコモ・ロッシ・スチュワート)が殺されて運搬中の牛が盗まれるという事件がおこる。犯人を突き止めて牛を取り戻すため、旅に出たダンは驚くべき真犯人を知るという物語。

開幕からテレンス・ヒル、ジャコモ・ロッシ・スチュワート、ウォルター・バーンズというマカロニ常連の三人が登場して大いに期待させるが、最初の10分程で彼らの出番はなくなり、あとはピーター・ファン・アイクにまつわる本編とはあまり関係ないエピソードが挿入されていく。ラスト近くになって真犯人が、なんと弟のラリーであることが判明。唐突に画面に再登場した弟のラリーと兄弟による決闘という展開になる。弟を撃てない兄は、銃を捨てるが、結局兄を救うため父親が弟を撃つというとことん後味の悪い幕切れとなる。

新品のような純白のカウボーイハットに洗いたてのシャツをまとって西部男としての違和感が際立つテレンス・ヒルといい、とても兄弟には見えない老け顔のピーター・ファン・アイクといい、キャラに全く魅力がない。おまけに、家族が殺し合うという嫌なストーリーといい、マカロニファンの間でもあまり相手にされない作品である理由が良く分かる。

ちなみに、本ブログで使用した日本語題名はイタリア語題名ではなく、より西部劇の雰囲気のある英語題名の「夕陽の決闘」を使用した。