「ブーツヒル(69)」

LA COLLINA DEGLI STIVALI(伊)「ブーツの丘」、BOOT HILL(英)「ブーツヒル」劇場未公開

カテゴリー(Terence  Hill)

監督ジュゼッペ・コリッツィ、脚本ジュゼッペ・コリッツィ、撮影マルチェロ・マスチオッティ、音楽カルロ・リスティケリ、出演テレンス・ヒル、ウッディ・ストロード、バッド・スペンサー、ジョージ・イーストマン、アルベルト・デラクア、ビクター・ブオーノ、エドワルド・シャンネリ、ライオネル・スタンダー、ウエイド・プレストン

ジュゼッペ・コリッツィ監督、テレンス・ヒル主演による“キャット・スティーブンスシリーズ”の3作目。コリッツィ監督お気に入りのサーカスが舞台になっている。日本人の感覚からするとマカロニウエスタンとサーカスは相容れない雰囲気なのだが、なぜか、サーカスが登場するマカロニ作品は多い。

町のボス、フイッシャー(ビクター・ブオーノ)との賭博のトラブルで傷を負ったスティーブンス(テレンス・ヒル)は、旅のサーカス一座に救われる。彼を助けたのは、今はサーカスの空中ブランコ乗りだが昔は名うてのガンマンとしてならしていたトーマス(ウッディ・ストロード)だった。しかし、サーカス団がスティーブンスをかくまっていたことを知ったボス、フイッシャーの一味は、報復のため空中ブランコの演技中にブランコのロープを断ち切り、ブランコ乗りのスターだったトーマスの息子ジョーは命を落とす。

スターを無くして解散に追い込まれたサーカス団だったが、ジョーの復讐を誓ったトーマスは、スティーブンスに協力を依頼する。責任を感じていたスティーブンスは、かつての仲間であるアーチ・ハッチ(バッド・スペンサー)と聾唖のガンマン、ベビー・ドール(ジョージ・イーストマン)の元を訪れる。最初は乗り気ではなかったハッチとベビーだったが、共通の友人であるシャープ(エンゾ・フィルモンテ)がフイッシャーに殺され、鉱山の採掘権も強奪されていることを知り、一味と戦うことに同意する。

町に戻った一行は、解散していたサーカスのメンバーを再び集合させ町でサーカス興行を再開する。サーカス団は、興行に判事のブーン(エドワルド・シャンネリ)を招き、フイッシャー一味の悪事を芝居仕立てで告発するのだった。真実を知った町民も交えてサーカス団のメンバーとフイッシャー一味との大銃撃戦が開始される。ヒルとスペンサーのコンビにストロードとジョージ・イーストマンを加え、さらに軽業のアルベルト・デラクアとマカロニにはおなじみの俳優が顔を揃え、アクションと銃撃戦はなかなか派手。美しいカメラワークもマカロニらしい雰囲気を大いに盛り上げている。

ただ、やはりサーカスという舞台はマカロニには似つかわしくなく、壮絶さや迫力は奪われていた。典型的マカロニガンマンであるキャット・スティーブンスだが、開幕から数人の敵に追われてあたふたと逃げ回ったり、仲間を頼りにしたり、とやや頼りない。マカロニガンマンは、圧倒的なガンの腕前を武器に数多くの敵に一人で立ち向かってほしいものだ。この作品を撮った後にコリッツィ監督は心臓マヒでこの世を去り、この作品が遺作となった。