マカロニウェスタン大全 「皆殺しのジャンゴ」 1968

2021-04-22

PREPARATI LA BARA(伊) 「棺桶の準備はできたか」、 VIVA DJANGO(英)「ジャンゴ万歳」劇場公開作品

カテゴリー(Terence  Hill)

監督フェルディナンド・ベルディ、脚本フランコ・ロゼッティ、フェルディナンド・ベルディ、撮影エンツォ・バルボーニ、音楽ジャン・フランコ・レベルビ、出演テレンス・ヒル、ホルスト・フランク、ジョージ・イーストマン、バーバラ・サイモン、ホセ・トレス

日本で公開された最初のテレンス・ヒル主演作品。名前だけジャンゴを借りた数ある偽ジャンゴ作品とは異なり、スタイルから風貌、そしてマシンガンをぶっぱなすクライマックスまで正真正銘フランコ・ネロ演じたジャンゴの正統的な続編だ。本来はフランコ・ネロを起用して「続・荒野の用心棒(66)」の続編を制作しようとして企画されていたのだが、あいにくネロが「キャメロット」の撮影で渡米していたため、ピンチヒッターとしてネロに容貌が極似していた若手のテレンス・ヒルが起用されたというエピソードがある。

馬車の護衛を生業としていたジャンゴ(テレンス・ヒル)は任務の途中でかつての仲間ルーカス(ジョージ・イーストマン)の一味から馬車を襲われ、積んでいた金を奪われただけではなく、馬車に同行していた妻も殺されてしまう。かろうじて一命をとりとめたジャンゴは、死刑執行人として蘇り、無実の罪で処刑されかかった囚人達を独自のトリックで救い出す。復讐者の集団を組織したジャンゴは彼らと共に強大な敵に反撃を開始し、ルーカスも血祭りにあげる。しかし、組織したグループの一人メキシコ人のガルシア(ホセ・トレス)は、金目当てのために仲間を裏切り、物語は意外性な展開を見せていく。

ガルシアがジャンゴの一味を裏切る物語とジャンゴの真の仇である議員デビッド(ホルスト・フランク)への復讐の物語が並行して進められ、ラストは全ての仲間を失ったジャンゴがデビッドの一味に墓場で囲まれて絶体絶命。しかし、ここで墓場に埋めて いたマシンガンが火を吹き全てにケリをつけるという展開に、お約束通りの場面を踏襲して楽しむというマカロニウエスタン独特のカタルシスが味わえる。

典型的マカロニウエスタンともいうべき本作だが、それだけに、どうしても「続・荒野の用心棒(66)」が比較の対象になってしまうのが本作の残念なところ。フランコ・ネロ似のテレンス・ヒルはジャンゴのロングコートが良く似合うが、いかんせん“ネロと比べると線が細い”“ネロと比べると迫力不足”という評価になってしまう。ストーリーも、「続・荒野の用心棒」では、あくまで前半の山場であるマシンガンによる皆殺しシーンがラストのクライマックスになってしまい物足りなさが残る結果になった。やはり、比較される対象が素晴らしすぎるとなかなか正当な評価が得られにくいという例であるといえる。