マカロニウェスタン大全「笑顔で行こう本物のプロビデンサ」1973

2021-04-22

CI RIDIAMO ,VERO PROVIDENZA?(伊)「笑顔で行こう本物のプロビデンサ」、HERE WE GO AGAIN PROVIDENCE?(英)「もういっちょう行こうぜプロビデンサ(73)」

カテゴリー(Tomas Milian)

監督アルベルト・デ・マルチーノ、脚本カスティラーノ&ピッポロ、撮影アレッサンドロ・ウロア、音楽エンニオ・モリコーネ、ブルーノ・ニコライ、出演トーマス・ミリアン、グレッグ・パルマー、リック・ボイド、キャロル・アンドレ、ルチアーノ・カナッティ

「血斗のジャンゴ(67)」や「情無用のジャンゴ(67)」のミリアンしかイメージしていない人が見たら腰を抜かすであろう、とんでもないキャラクターをミリアンが演じてしまった。PROVIDENCE(プロビデンス神の摂理)という大層な名前をもつ賞金稼ぎが主人公だが、山高帽とドタ靴にチョビひげ、白塗りのメイクというそのいで立ちやふるまいは、正にチャーリー・チャップリン。内容も、おふざけ一辺倒のドタバタ喜劇だ。

まだ西部劇の雰囲気を保っていた前作より特にこの2作目の崩れ方はひどい。第1作目の改造馬車に輪をかけた改造機関車に乗ったプロビデンサは、前作と同じく相棒のお尋ね者キッド(グレッグ・パルマー)を捕らえては、処刑寸前になるところを逃がすという手口(「続・夕陽のガンマン(66)」と同じだ。)で稼いでいる。しかし、海水浴場で見初めた美女パメラ(キャロル・アンドレ)へ思いを募らせ、恋の病に陥ってしまう。パメラは父親(ルチアーノ・カナッティ)の借金の形として、バートン大佐(マヌエル・ジェラルド)と無理やり結婚させられようとしていた。それを知ったプロビデンサは、あの手この手で金策を始める。いかさまルーレットや偽銀行の創設などいずれも失敗するものの、列車強盗には成功し気球で逃亡する。

しかし、喜びもつかの間パメラはすでに結婚していた。父と思われていた男は、実はパメラの夫で彼らは詐欺師だったのだ。詐欺師一味とクンフーの技で戦い、だまし取られた金を取り戻したプロビデンサは、再び気球で空へと去っていく。マカロニらしさはかけらも感じられないが、モリコーネ、ニコライコンビの軽快な音楽に乗って、ミュージカルのように踊りと歌のシーンがテンポよく繰り返される。あの手この手で観る者を楽しませたいという意欲は評価できる。数多いマカロニウエスタンの中にはこんな珍作もあったということを知る上で興味深い。