「アイザック・繋がれし少年(77)」

VENDETTA(伊)「復讐」、KID VENGEANCE(英)「復讐小僧」劇場未公開、DVD公開題名「アイザック・繋がれし少年」

カテゴリー( Lee Van Cleef)

監督ジョー・マンデューク(ジャン・フランコ・パロリーニ)、脚本バッド・ロビンス、ジェームス・テルファー、ケン・グローバス、撮影デビット・ガーフィンケル、音楽フランチェスコ・デ・マージ、出演レイフ・ギャレット、リーバン・クリーフ、ジム・ブラウン、グリニス・オコーナー、ジョン・マーレイ、ダリア・ペン、デビット・ローデン、マット・クラーク

「VENDETTA(復讐)」という題名ではリチャード・ハリスンの作品が一つあるので混同しがちだが、これは英題名の「KID VENGEANCE(復讐小僧)」の方がピッタリしている。「DIAMANTE LOBO(76)」と同じくイスラエルの資本を元に制作された姉妹編。リーバン・クリーフも出演しているが、今回は主演ではない。また、日本版DVDの題名「アイザック」を演じる黒人俳優ジム・ブラウンが主演でもない。本作品の主人公は、米国の人気アイドルだった、レイフ・ギャレット演じる少年トムである。コメディ作品を除けば文字通りマカロニウエスタン史上最年少の主人公の登場だ。

西部に移住して来た開拓者の一家が残酷なならず者一味に襲われて、父(デビット・ローデン)と母(ダリア・ペン)は殺され、娘のリサ(グリニス・オコーナー)が連れ去られる。しかし、息子のトム(レイフ・ギャレット)だけはたまたまその場にいなかったために助かるのだった。ここまでは、どこにでもあるマカロニお得意の展開。しかし、少年の復讐は成長を待つのではなく、その時から開始されていく。盗賊のキャンプに忍び込みバッグに毒蛇、ブーツにさそりを忍び込ませる。後を追わせ落とし穴にさそいこむ。崖の上から岩を投げ落とす。子供に出来る限りの知力と体力を振り絞って幼い復讐戦が展開されていく。

やがて、彼は荒野に置き去りにされていた奴隷から解放された黒人の金鉱堀アイザック(ジム・ブラウン)を助け、彼の手を借りることで本格的な悪党一味との戦いへ発展する。しかし、盗賊一味のボス、マクライン(リーバン・クリーフ)も家族をもち、同じ年頃の息子をもつ身の上であった。復讐者が子供ということでトムが次々に人殺しに手を染めていくシーンは、倫理的にNGがかかりかねない場面ではあるが、子供ゆえに必死さ、壮絶さが浮き彫りにされている。結局最後には、アイザックも、マクラインも命を落とし、復讐のむなしさが漂う70年代の作品独特の陰鬱な結末となっている。

前半で残酷な開拓者一家殺しを扇動する極悪人マクラインが、後半では、家族を愛し、トムの復讐心も理解する善人に変貌してしまうキャラクターの変貌も問題だ。