マカロニウェスタン大全 「地獄のアパッチ」 1971

2021-04-21

CAPTAIN APACHE(伊)「アパッチ大尉」、CAPTAIN APACHE(英)「アパッチ大尉」、劇場未公開、TV/DVD公開題名「地獄のアパッチ」

カテゴリー(Lee Van Cleef)

監督アレクサンダー・シンガー、脚本ミルトン・スパーリング、フィリップ・ヨーダン、撮影ジョン・カブレラ、音楽ドロレス・マクラン、出演リーバン・クリーフ、キャロル・ベイカー、スチュワート・ホイットマン、チャーリー・ブラボ、エリサ・モンテス、ルイス・インドーニ

イタリア資本が絡まないため、本作もまたマカロニウエスタンの範疇に収まらないが、リーバン・クリーフ演じる個性的な主人公の格好良さ、画面を盛り上げる音楽など、表面的にはマカロニウエスタンにしか見えない、イギリス・スペインの合作ユーロウエスタン。

アパッチ族出身(?)の騎兵隊大尉、人呼んでキャプテン・アパッチ(リーバン・クリーフ)は、居留民の監察官ハリー・コリア(ルイス・インドーニ)が何者かによって殺害された事件を調査していた。真相を追究するうちに、コリアが、死ぬ間際に「四月の朝」という謎の言葉を言い残していたことが分かる。その言葉の意味するところを探るアパッチの周囲にやはりその言葉の謎を知りたがる武器商人グリフィン(スチュワート・ホイットマン)や、グリフィンの女秘書モード(キャロル・ベイカー)が近づいてくるというミステリー仕立ての物語。口ひげのない精悍な面構えのクリーフが毛皮の襟とフリンジのついたマカロニウエスタンそのものといったキザなスタイルで登場。彼自身が台詞を重ねながら奏でられるタイトルの音楽には、大いに期待させられるのだが、作品の出来は完全な期待はずれ。物語とは関係のない登場人物がごちゃごちゃと現れ、不必要な場面がやたらに挿入されるため流れが大変つかみにくい。

「四月の朝」という言葉が意味ありげに何度も連呼される割には、その意味は、大統領の乗った汽車の車両名だったというさして重要とも思えない真相が明らかにされる。しかも、サンチェス将軍(チャーリー・ブラボ)率いるメキシコ山賊がインディアンに変装して大統領の乗った車両を襲う計画を企てていたのだが、その情報はすでに政府が把握しており、山賊たちは最初から列車に配備されていた騎兵隊から掃滅させられてしまう。結局全編を通じて描かれていたアパッチ大尉の活躍は全くの徒労だったということになり、プロの脚本家の描いた物語とは信じられない結末を迎えてしまう。

そもそも、主人公がインディアンという独特のキャラ設定が全く生かされておらず、アクションの見せ場も不足している。「荒野のライフル(71)」も同様だが、イギリス製のヨーロッパ西部劇は、豪華な俳優陣を起用しても脚本のまずさから、いつも作品をつまらないものにしてしまっている。やはり、ユーロウエスタンは、マカロニに限るという結論にたどり着きそうだ。