「無頼プロフェッショナル(71)」

E CONTINUAVANO A FREGARSI IL MILIONE DI DOLLARI(伊)「数百万ドルを掏り続ける奴ら」、BAD MANS RIVER(英)「悪党の河」劇場未公開、TV公開題名「無頼プロフェッショナル」

カテゴリー(Lee Van Cleef)

監督エウジェニオ・マルタン、脚本フィリップ・ヨルダン、撮影アレハンドロ・ウロア、音楽ウオルド・デ・ロス・ディオス、出演リーバン・クリーフ、ジーナ・ロロブリジータ、ジェイムス・メイスン、ジャンニ・ガルゴ、サイモン・アンドリュー、ジェス・ハーン、アルド・サムブレル

ジーナ・ロロブリジータ、ジェイムス・メイスンという豪華なキャスト。ジャンニ・ガルゴ、サイモン・アンドリューという主役級の役者達がクリーフの手下役で登場しているのだからその贅沢さには恐れ入る。それに加えて演出は「ガンクレイジー(66)」のエウジェニオ・マルタンとなればいやがうえにも期待が高まるというものだ。ところが、その内容は期待はずれもいいところ。中途半端なコメディ仕立てのストーリーとファッションセンスを感じさせない主人公達のスタイルが見る者をしらけさせる。

銀行の床をぶち抜いて大金の強奪に成功したロイ・キング(リーバン・クリーフ)は逃走の途中で妖艶な美女アリシア(ジーナ・ロロブリジータ)と出会う。早々に結婚したところ彼女の訴えでキングは精神病院へ放り込まれることになる。キングが病院を脱走して新たにメキシコ政府火薬庫爆破の仕事を請け負うとその依頼主の武器商人モンテロ(ジェイムス・メイスン)は彼を病院に送った憎き美女の新しい夫であった。プロならば、どんな仕事でも請け負う。キングと3人の手下たちは、見事使命を果たすのだが、報酬の100万ドルは支払われない。モンテロは、メキシコ政府が爆破された武器の補てんのために準備する100万ドルをもらってから支払うというのだ。

不信感を募らせるキングの思惑通り、メキシコ政府から雇われた山賊カナレス(アルド・サムブレル)の一味が、キングたちを襲って来た。つわもの揃いのキング一味はたった4人でカナレスの手下たちを全滅させるがその最中、モンテロは撃たれて死んでしまう。この撃ち合いシーンが見せ場の一つになるはずなのだが、これがさっぱり盛り上がらない。音楽が全く生かされてないからだ。モンテロの死は、支払いを渋る狂言だとキングは見破るものの突如現れた革命軍の強襲を受けて一味は皆捕らえられてしまう。

ところは、今度は革命軍の捕虜となっていたところに今度は政府軍が攻撃を仕掛けてくるという目まぐるしい展開。戦いのプロであるキング一味は一転して革命軍の味方をすることになり、改造した自動車で敵地に殴り込み見事に政府軍を撤退させる。100万ドルをやっと手にすることができると思ったのもつかの間、またもや、マリシアがキングとモンテロも裏切りすべてを奪って新しい彼氏と逃避行に旅立つのだった。

渋い味をもった二人の男を翻弄するしたたかな美女という設定がマカロニウエスタンにふさわしいものであるか大いに疑問が残るところ。ジーナ・ロロブリジータ、ジェイムス・メイスンという超豪華なキャストが全く生かされていない。ガルゴにしてもマカロニ初期の作品のようなチェックのシャツにチョッキというセンスのない服装で、桶の底に足をつっこんであたふたするような情けない役を大まじめに演じている。「西部決闘史」あたりから、クリーフは、なぜかカツラを使用して作品に出演するようになったが、そのころからクリーフ主演作品の質が落ち始めたように感じるのは気のせいだろうか。