マカロニウェスタン大全 「ダイヤモンドの狼」 1976

2021-04-21

DIAMANTE LOBO(伊)「ダイヤモンドの狼」、 GOD’S GUN(英)「神の拳銃」劇場未公開

カテゴリー(Lee Van Cleef)

監督フランク・クレイマー、脚本ジョン・フォンセカ、フランク・クレイマー、撮影サンドロ・マンコーリー、音楽サンタ・マリア・ロミテリ、出演リーバン・クリーフ、ジャック・パランス、レイフ・ギャレット、シビル・ダニング、リチャード・ブーン

76年はマカロニブームも終わり、新作もほとんど作られなくなったが、それならば俺たちがつくるとイスラエルのプロデューサーが名乗りを上げ、珍しいイスラエルとイタリアの合作マカロニウエスタンが完成した。マカロニウエスタンを愛してやまない有志が制作した作品だけに、ストーリー構成もアクションもしっかりとしており、ますます渋さを加えたリーバン・クリーフが格好良い。

クリーフ以外の豪華なスタッフとキャストを見ただけで、3流マカロニとは一味も二味も違っていることがわかるだろう。残念ながら日本では、テレビ公開すらされていない。70年代に抜群の人気を誇ったアイドル歌手のレイフ・ギャレットがここでは子役として登場しているのも話題。彼が扮するジョニーは町の酒場の女性オーナであるジェニー(シビル・ダニング)が暴行されて身ごもった子供。しかし、彼には父代わりとなってくれる優しいジョン神父(リーバン・クリーフ)がいた。ところが町はクレイトン(ジャック・パランス)率いるならず者集団に襲われ、臆病な保安官(リチャード・ブーン)に代わって町をまもろうとした勇敢な神父は彼らの一斉射撃を浴びて惨殺される。

ショックで口がきけなくなったジョニーはかろうじて町を離れ、かねてから聞いていた神父の弟ルイスのところに逃げ込む。そこで出会った拳銃使いルイス(リーバン・クリーフの二役)は、なんと神父に瓜二つであった。ジョン神父とルイスは双子の兄弟だったのである。事情を知ったルイスは兄の仇を討ち、町を救うために神父の服を見にまとい亡霊を装って復讐戦を開始する。次々とクレイトン一味を片付けていくルイス。物語の途中でジョニーはクレイトンの実の息子であったことが判明するが、このことが、物語全体の伏線としてあまり生かされていない点はマイナスだ。

ラストはリーバン・クリーフ対ジャック・パランスという大物同士の一騎打ち、しかしながら、両者の拳銃の実力には差がありすぎ、クレイトンの拳銃はルイスによって弾き飛ばされ、金の袋の中に隠し持ったデリンジャーで反撃しようとするも、ジョニーの叫びで、そのことに気づいたルイスはクレイトンにとどめを刺す。結局、ジョニーは、実の父を倒すことに手助けする形になってしまうが、ジョニーにとっての父親はジョン神父だけだったのだ。サンタ・マリア・ロミテリの音楽もマカロニの雰囲気を盛り上げる好作品だ。