「新・脱獄の用心棒(71)」

VIVA LA MUERTE…TUA(伊)「お前の死に万歳」、DON’T TURN THE OTHER CHEEK(英)「もう片方の頬を差し出すな」劇場未公開、TV/DVD公開題名「新・脱獄の用心棒」

カテゴリー(Franco Nero)

監督ドウッチョ・テッサリ、脚本ディノ・マイウリ、マッシモ・デ・リタ、ギュンタ・エバート、ファン・デ・オルディーニャ、撮影ホセ・F・アグアヨ、音楽ジャンニ・フェリオ、出演フランコ・ネロ、イーライ・ウォラック、リン、・レッドグレープ、エドワルド・ファハルド、ビクター・イスラエル、ホルスト・ヤンセン

セルジオ・コルブッチならぬドウッチョ・テッサリが監督したフランコ・ネロ主演のメキシコ革命もの。フランコ・ネロ扮する胡散臭い外国人が、ちょっと間が抜けているけれど、憎めないメキシコの革命家と組んでの革命行脚という設定のコルブッチ監督作「豹・ジャガー(68)」「ガンマン大連合(70)」の2作品に続く真の革命三部作として制作が予定されていた作品だった。しかし、当時コルブッチとネロの間に、「ガンマン大連合」のフィルムのカットを巡って確執が発生し、ネロがコルブッチの演出を拒否するという事態に発展、急遽監督がテッサリに交代したという経緯で完成されたいわくつきの作品だ。

ロシアの公爵を自称するディミトリ・オルロウスキー(フランコ・ネロ)は、死にかけた老人から、100万ドルが隠された村の情報を得る。大金の隠し場所を知るという死刑囚ロゾーヤ(イーライ・ウォラック)を脱獄させたオルロウスキーは、彼から何とか金の隠し場所を聞き出そうとするが、ロゾーヤはのらりくらりとオルロウスキーをはぐらかす。村の名前はオルロウスキーが、村の中の地図は、ロゾーヤが知っているという「続・夕陽のガンマン(66)」によく似た設定で物語が展開。さらに脱獄したロゾーヤを死んだ革命の英雄エル・サルバドルの替え玉に仕立てようと目論む革命支持の女性ジャーナリスト、メアリー・オドネル(リン・レッドグレープ)が二人組を助けて活躍する。

宝の地図はロゾーヤのお尻に刺青してあったり、激しい戦闘の最中にドクロ型の爆弾の投げっこをしたりと、コメディとしての面白さが中心だが、メキシコ軍の砦に革命軍と共に乗り込み、軍用拳銃ルガーやショットガン、ダイナマイトを駆使して戦う中盤のアクションは撃ち合いの連続で迫力満点。全身をブリキのギブスで覆って弾丸を跳ね返す、宿敵ランドール保安官(ホルスト・ヤンセン)との最後の対決もロゾーヤがあおっている酒が逆転の小道具として生かされるなど工夫を凝らした見せ場がたっぷりと用意してあり、大いに楽しめる。

主人公の三人組の一人メアリーを演じるリン・レッドグレープも彩を添えるという意味合いだけでなく、コメディエンヌとしてのコミカルな演技も見せ、本作の楽しさを大いに盛り上げる。コルブッチの前作2作品に遜色なく、劇場公開されなかったことが惜しまれる高水準の作品だ。ただし、ロバート・ウッズ主演の「脱獄の用心棒(68)」とは全く接点がなく、このTV公開の題名は、あまりにも的外れな印象をうける。