「豹・ジャガー(68)」

2020-08-18

IL MERCENARIO(伊)「傭兵」、A PROFESSIONAL GUN(英)「プロの拳銃」劇場公開作品、TV公開題名「地獄の用心棒」

カテゴリー( Franco Nero)

監督セルジオ・コルブッチ、脚本ルチアーノ・ビンセンツォーニ、セルジオ・スピナ、撮影アレサンドロ・ウロア、音楽エンニオ・モリコーネ、出演フランコ・ネロ、トニー・ムサンテ、ジャック・パランス、ジョバンナ・ラリ、エドワルド・ファハルド、フランコ・レッセル

どこから切ってもマカロニウエスタンという作風の3作品から「裏切りの荒野(67)」を経て、フランコ・ネロの主演作品はコルブッチ監督と組んでのメキシコ革命劇の路線へと移行していく。コルブッチ監督の演出も初期の悲愴感をいっぱいにみなぎらせたギラギラした作風から、ユーモアをも交えた楽しいアクションへと変化していっているようである。この作品もニヒルなフランコ・ネロに対して、彼に革命の手助けを頼む若いメキシコ人を演じるトニー・ムサンテの個性が光っている。

ネロ扮するセルゲイ・コワルスキーはポーランドからやって来た凄腕の殺し屋で、メキシコの銀山の持ち主であるガルシア(エドワルド・ファハルド)に雇われる。しかし、コワルスキーが到着したときには銀山がガルシアから苛酷な労働を強いられ、ついに反乱を起こしたパコ(トニー・ムサンテ)の一味に乗っ取られた後だった。逆にここで、パコから金で雇われたコワルスキーは、様々な戦術をパコの一味に伝え、ただのならず者集団を一流の革命軍に育て上げていく。しかし、あまりに尊大なダグラスの態度に業を煮やしたパコはコワルスキーの教えを守らなくなり。政府軍から大敗を喫してしまう。

このパコとコワルスキーの掛け合いが面白い。バカなやつだと思っていてもなぜか助けてやらなければならないパコに対するコワルスキーの友情が物語の中心となっている。名作「シェーン」の殺し屋役で名高いジャック・パランスもコワルスキーのライバルであるエラムの役で登場し、作品に重厚さを増していた。コワルスキーの助けを得ながらも決闘で宿敵エラムを倒したパコは、コワルスキーと共に再びガルシアとの決戦に挑む。

ラストはあくまで、革命に命を掛けようとするパコと自由奔放に生きようとするコワルスキーとの別れ。それまで常にパコを見下していたコワルスキーが次第にパコに友情を感じ、組んで西部を荒らし回ろうとする誘いをかける。しかしパコは「お前には何があるのか、俺には夢があるんだ。」と言い残して去っていく。そんなパコのピンチをやはり陰で救ってやりながら、その後ろ姿を見守るコワルスキーの目にはそれまでとちがった憧れの色がにじむ。この立場の逆転はより強い目的意識と執念を持った男が最後には勝つことを伝えてくれる。それぞれの道を歩んでいく2人の姿は、血と硝煙に彩られるコルブッチ流マカロニウエスタンとしては、さわやかな後味を残す幕切れであった。