「ガンマン大連合(70)」

VAMOS A MATAR,COMPANEROS(伊)「殺っちまえ、同志たちよ」、 COMPANEROS(英)「同志たちよ」劇場公開作品

監督セルジオ・コルブッチ、脚本ディーノ・マイウリ、マッシモ・デ・リータ、セルジオ・コルブッチ、撮影アレッサンドロ・ウロア、音楽エンニオ・モリコーネ、出演フランコ・ネロ、トーマス・ミリアン、ジャック・パランス、フェルナンド・レイ、アイリス・バーベン、ホセ・ボダロ、カリン・シューベルト

カテゴリー( Franco Nero)

レオーネが独自の思いを盛り込んだメキシコ革命劇「夕陽のギャングたち(70)」を生み出したのに対抗するかのようにセルジオ・コルブッチもまた革命劇の傑作を創り出した。それがこの「ガンマン大連合」である。重く、幾つかの主張を盛り込んだレオーネの作品に比べてこちらはあくまで徹底した娯楽路線で、アクションと笑いを盛り込んだ見せ場の連続。まさにそこにコルブッチが自らを主張していると思われる。内容は同一スタッフによる革命劇「豹・ジャガー」の続編。前回では、トニー・ムサンテが演じていた若いメキシコ人を似たキャラクターでトーマス・ミリアンが演じる。

フランコ・ネロの今回の役は、スウェーデンからやって来た武器商人だ。メキシコ革命に乗じて一儲けをたくらむヨッド(フランコ・ネロ)は革命軍とは名ばかりの暴力集団モンゴ将軍(ホセ・ポダロ)一派に雇われる。彼らが支払う代金は町の金庫の中に入っているのだが、その番号を知っているのは穏健派の指導者であるサントス教授(フェルナンド・レイ)のみ。サントス教授救出のためにヨッドは出発するが、その連れは革命軍の若い戦士バスコ(トーマス・ミリアン)。クールでニヒルなネロのキャラクターと陽気で、ちょっと調子者のミリアンとの絡み合いが面白い。相手を罵り合いながらも、お互いのピンチには助け合っていくところが微笑ましい。

この2人に加えてもうひとり、貴重なキャラクターが 登場する。ヨッドを宿敵として付け狙う不気味な殺し屋ジョン(ジャック・パランス)である。鷹を右手の義手に留まらせた彼は、「豹・ジャガー」の殺し屋に狂気の凄みを加えたなかなか味のあるキャラクター。ヨッドとバスコはジョンの妨害に会いながらもなんとかサントス教授を救出する。無教養なバスコは、ただひたすらモンゴ将軍の手足となって命を懸けるだけだったが、サントス教授と出会うことによって、革命の意味を自分なりに考え始めるのだった。

一方、町の財宝を狙うモンゴ将軍一味は、サントス派の若者達を人質にサントスの投降を迫る。暴力集団の本性を表した革命軍の本拠地に殴り込みをかけたヨッドとバスコはライフル、2丁拳銃、機関銃、蛮刀などあらゆる武器を駆使して群がる敵をなぎ倒していく。このシーンこそ、この映画最大の見せ場。素早い画面の切り替えですごいスピード感を出し、迫力満点だ。純粋なバスコの理想とは異なり、ヨッドのねらいは、あくまで金庫の中にある町の財宝にある。しかし、サントスの考える財宝とは、労働の象徴である穀物の種と一握りの土であった。サントスの非暴力主義の思想とバスコの純粋さに動かされたヨッドは、やがて本当の革命に身を投じていく。

一時は彼らと別れることを決心したヨッドだったが、政府軍が大挙して乗り込んで来る様子を見て、一転「VAMOS A MATAR,COMPANEROS(殺っちまえ、同志たちよ)」と叫んでバスコ達の元に駆け戻る。帰って来るヨッドを見つめてニヤリとほほ笑むラストシーンのミリアン、バスコの目付きがすごく格好良い。ゆとりとユーモアが支配していた世界観から一転して、己の信ずるものに全てをかける男の生き様が全開になる素晴らしいラストシーンだ。